日本畜産学会報
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九州在来馬の研究
II 対馬の在来馬について
林田 重幸山内 忠平
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27 巻 (1956-1957) 1 号 p. 13-18

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抄録

対馬には現在約2,400頭の馬が飼養きれるが,近年に於ける雑種化により,純粋又は純粋に近いと思われる所謂対州馬と称し得られるものは約100頭である。その体高は114~129cm,平均は牝については122.0cm,牡については122.6cmである。然し歴史的考察を行うと,対州馬は117~128cmの範囲内にあるもの最も多く,又注意を要することは110~120cmのものも相当数存在することである。この110~120cm範囲のものはトカラ馬の大さの範囲内であり,対州馬の内大なるものは木曽馬,御崎馬の大さの範囲に入る。而して対州馬の体高平均値は両者の中間にある。
筆者が日本先史時代馬を述べるに当つて,壱岐加良加見貝塚馬は先史時代の小形馬と中形馬の中間にあると述べた。対州馬がその大きに於て先史時代小形馬と大さを殆んど等しくするトカラ馬の如き島型馬から,先史時代中形馬と殆んど大さを等しくすると思われる,木曽馬,御崎馬の如き内地型馬の大さの範囲にまたがることは注意すべきことである。
従つて対馬に於いては先史時代或はそれ以降に於いて,小形,中形の2形あり,これが基礎となり,対州馬の発足を見たものと思われる。

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