28 巻 (1957-1958) 2 号 p. 76-80
白鼠消化管のどの部位からglucoseが吸収されるかを決定するため, 成白鼠 (体重105~208g) 107頭を用いて実験を行つた。その結果を要約すると次の如くである。(1) 胃, 小腸下部, 結腸, 盲腸は約25%溶液で15~30mgのglucoseを注入しても全くglucoseの吸収を示さなかつた。(2) 十二指腸に於いては16~18mgのglucoseを注入した場合明かな吸収が認められ, 腸管長1.5cm, 腸重量0.7g当りに換算した場合の吸収率 (1時間当りの吸収量) は注入後100分迄は8.7±0.2mg (信頼度95%の信頼限界) となり, 回帰式Y=0.16+0.14Xが求められた。但しYは吸収したglucoseのmg量, Xは吸収時間 (分) を示すものである。(3) 十二指腸に続く空腸上部に於いても, 27~31mgのglucoseを注入した場合120分後迄吸収を認めることが出来た。腸管長1.5cm, 腸重量0.45g当りに換算して, 吸収率は7.7±1.0mg (信頼度95%の信頼限界) 回帰式Y=0.06±0.13Xを得た。
(4) 著者の前報と併せ考えると, Sucrose, maltose等のdisaccharideは小腸上部に於いて速かに消化分解され. 生成したglucoseは直ちに該部より吸収されるものと思われる。