29 巻 (1958-1959) 3 号 p. 188-193
鶏において,移植生殖腺が,移植当時のその日令や移植部位および移植後の日数等により種々変異することについて,おもに組織学的な研究を実施した。使用鶏は大部分白色レグホーン種で,合計約1000羽である。長い無生殖卵期間を持つた宿主に移植した卵巣は,日令7日以下のものでは早急に退化,吸収されてしまい,日令の多いものでは活着するが,卵胞の発育は,胸筋に移植した場合が最高であつた。いずれの場合でも,早急に組織の変異をきたす。
長期無生殖腺宿主移植精巣では,精細管の萎縮と間質の増生とがみられ,卵巣のような多様相を呈しない。
卵巣において,黄体様細胞の発現するものが多数例みられたが,これは下垂体の生殖刺激ホルモンに関係があるものとみられる。以上の結果を要約すると,
I. 卵巣移植の場合,
1) 7日令以下の卵巣移植では活着(-)
2) 7日令以上の卵巣移植では活着-黄体細胞;LH>-FSH
3) 45日令以上の卵巣移植では活着-胞卵(+)または(±)FSH分泌回復
II. 精巣移植の場合,活着(+)のものは,いずれの部位でも精細管萎縮,間質増生。