41 巻 (1970) 8 号 p. 423-429
1日の給飼時間の変更に対して,乳牛がどのように対応するかを知るため,16頭のホルスタイン種乾乳牛を4頭ずつ4群に分け,乾草単飼で20日間の摂食行動を連続記録し,10日目に給飼時間を変更,その前後の摂食量•時間•速度を比較検討した.
各群の前•後半の給飼時間は,それぞれ,第I群不断給飼と4時間1回給飼,第II群4時間1回給飼と不断給飼,第III群不断給飼と2時間2回給飼,第IV群2時間2回給飼と不断給飼とした.乾草は少なくとも約10%を食べ残す程度の量を,2時間2回給与期には午前6時と
午後4時,他の期には午前8時に実験用飼槽に入れて与え,飲料水および固型塩を別に常備した.摂食行動の記録は,飼槽内の給与乾草の重量変化を歪計•打点式記録計にとらえる方法により,記録紙速度は1時間150mmとした.結果は次のとおりであった.
(1) 1日4時間給飼の時は,ほとんど給飼時間1杯,速い速度で摂食したが,1日の摂食量は不断給飼時に及ばなかった.4時間1回給飼よりも2時間2回給飼の方が,やや速く,より多く摂食した.
(2) 不断給飼から4時間給飼に切り替えた日には,摂食速度は不断給飼期と変わらず,1日の摂食量は極度に減少した.2時間2回給飼に切り替えた群では,朝の給飼時には同様の現象が見られたが,夕刻の給飼時には既に摂食速度が大きくなり,摂食量は朝の2倍にも達した.
(3) 1日4時間給飼から,不断給飼に切り替えた日には,朝の摂食速度は4時間給飼期に近く,1日の総摂食時間は不断給飼期と変わりなかったが,摂食量は著しく多かった.
(4) 給飼時間切替日のこれらの著明な傾向は,2-3日目から,それぞれ4時間給飼•不断給飼時の摂食速度•時間•量にほぼ安定し,乳牛の給飼時間変更に対する順応はきわめて速いことが観察された.