日本畜産学会報
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血清エステラーゼの多型現象とその育種学的研究
VI. マウス血清Cholinesterase, C3 zone (Es-9)の遺伝的支配
萬田 正治大木 与志雄西田 周作
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43 巻 (1972) 1 号 p. 11-15

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抄録

マウスにおいて,血清CholinesteraseであるC3 zone (Es-9)活性の系統間変異が遺伝的に支配されているかどうかを検討するために,去勢ならびに幼若マウスにおける本酵素活性の変異を観察した後,CFW系,dd系,KK系およびDSD系の4系統マウスを用いて,種々の交配実験を行なった.
1) CFW, NCおよびDSD系マウスにおいて去勢ならびに幼若マウスのC3 zone活性値は正常な成熟マウスの場合と全く同様に,雌雄共に明瞭な系統間差異を示した.
2) dd系マウス同志の交配では,その仔マウスのC3 zone活性は両親と同様にすべて高活性を示し,DSD系マウス同志の交配では,その仔マウスは両親と同様にすべて低活性を示した.ddとDSD系マウスの交配では,そのF1マウスはすべて両者の中間値を示した.そのF2マウスでは,高活性,中間活性,低活性の3つの型に1:2:1の割合で分離した.
3) CFWとKK系マウスの交配ではF1,F2マウスのC3 zone活性は前述の場合と全く同様の傾向を示した.正逆交配ではそのF1マウスのC3 zone活性は両親の中間値を示し,戻し交雑では,両親のいずれかの型に1:1の割合で分離した.
以上の結果から,マウスの血清CholinesteraseであるC3 zone活性は,常染色体上の一対の共優性遺伝子ChEとCheによって支配されていると推測される.

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