日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
体外精子の生存ならびに代謝に影響ある卵黄中の有効成分に関する研究
V. 精子の低温衝撃ならびに凍害に対する卵黄中の保護成分
枡田 博司西川 義正
著者情報
ジャーナル フリー

43 巻 (1972) 8 号 p. 417-423

詳細
PDFをダウンロード (484K) 発行機関連絡先
抄録

精子の低温衝撃ならびに凍害に対する卵黄中の保護物質を明らかにすることを目的として実験を行ない,つぎの知見を得た.
1. 卵黄のアセトン可溶性部からエーテル抽出によって得られた中性脂質は低温衝撃に対し,強力な保護作用をもっていることが認められた.アセトン不溶性でアルコール• エーテル(3:1)可溶性部,主として粗リン脂質には低温衝撃に対し,強い保護作用が認められた.しかし,精製レシチンは粗リン脂質より作用がいく分弱いようであった.α-およびβ-リポビチリンの両リポ蛋白質も低温衝撃に対し強い保護作用を示した.
2. リポビテリンおよびリポビテレニンは山羊あるいは牛精子の凍結による生存性低下の防止に有効であり後者は前者よりいく分保護作用が強い傾向が認められた.
3. α-およびβ-リポビテリンはいずれも山羊,牛および馬精子を凍害から保護し,後者の方が前者よりいく分すぐれた作用をもつ傾向が認められた.水溶性蛋白質であるリベチンは山羊,牛および馬のいずれの精子の凍結に対しても有効性は認められなかった.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
次の記事

閲覧履歴
feedback
Top