日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ヤギ第一胃内微生物によるギンネム中ミモシンの分解
城間 定夫赤司 景
著者情報
ジャーナル フリー

47 巻 (1976) 12 号 p. 739-747

詳細
PDFをダウンロード (457K) 発行機関連絡先
抄録

ギンネム,Leucaena leucocephala (Lam.) de Wit (LLDW),は熱帯,亜熱帯に自生する豆科の植物で,粗蛋白質含量はアルファルファに匹敵する.これを単胃家畜に給与すると,含有されるmimosineのため脱毛,繁殖障害などの中毒症状を呈するといわれている.一方反芻動物ではこの症状は見られないとされており,これはルーメン内微生物がこの中毒抑制機序に関与していることが考えられる.この仮説の機序を解明すべく,次の項目について実験を行った.(1) 一定量のLLDW新芽を絹袋に入れ,フィステルを装着したヤギのルーメン内に懸垂し経時的にmimosine含量を測定した.(2) 一定量のヤギルーメン内容液,単胃動物のニワトリの砂のう,腺胃,筋胃の洗浄液,ブタの胃内容液に一定量のmimo-sineを添加37Cにてin vitroで培養後,mimosineの消長を分光光度計を用いて定量した.実験(1)では懸垂時間の経過に伴ない28時間後には96%も減少した.実験(2)ではニワトリ,ブタのいずれでもmimosineの減少はほとんど見られず,ヤギでは減少が認められたものの極くわずかで,また再現性にも乏しかった.これを種々検討したところ,分光光度計ではmimosine以外にその分解生成物の3,4-dihydroxypyridineも同時に測定していたことがペーパークロマトグラフィの定性試験により確認された.よって,(3)液体クロマトグラフィによるアミノ酸分析を行ったところ,アミノ酸であるmimosineを正確に定量し,ブタ,ニワトリの材料ではmimosineの減少は見られず,ヤギでは明らかに減少が認められた.上述のことより,反芻動物のルーメン内微生物によってmimosineが分解され,単胃動物の胃内微生物では分解されないことが確認された.今後はこのギンネムの無毒化を計り,広く動物の粗飼料として活用すべく実験を進める予定である.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top