日本畜産学会報
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飼料中のアルギニン欠乏がヒナの成長におよぼす影響
辻 荘一福島 豊一
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47 巻 (1976) 5 号 p. 246-253

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抄録

腎臓のOrnithine transcarbamylase(OTC)活性通常のニワトリに比して50~100倍も高いニワトリの系統が存在している.本試験ではこのOTCの存在がアルギニン欠乏飼料給与時のヒナの成長におよぼす影響について検討した.供試したヒナは遺伝変異体OTCの遺伝子をヘテロに有するものと,この遺伝変異体OTCの遺伝子を有しないものとが1対1の割合で存在し,OTCもしくはOTCと連関する形質以外はランダムに分離していると推定されるヒナである.アルギニン欠乏飼料の給与によってヒナの成長は遅延し,その増体重はアルギニン塩酸塩を添加した対照区の37-38%にすぎなかった.また増体重の個体差がきわめて大であった,この増体重と腎臓のArginase活性との間にはきわめて高い負の相関(-0.89)が認められた.非天然アミノ酸であるα-アミノイソ酸(AIB)を給与すると腎臓のArginase活性はほぼ1/10となり,増体重も対照区の約60%となった.このようにしてArginase活性を抑制した場合でも,アルギニン欠乏飼料給与下でも遺伝変異体OTCを有するヒナと有しないヒナとの増体重に差違は認められなかった.このことから遺伝変異体OTCはヒナのアルギニ合成能には何らの影響を与えないものと推察された.アルギニンとオルニチンの代謝に関連する酵素とOTCとの関連はとくに認められなかったが,OTCはAIBとオルニチンの同時添加によってその活性が2倍に上昇した.

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