日本畜産学会報
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低質粗飼料中の繊維性物質の利用性に対するアンモニア処理の影響
伊藤 宏寺島 福秋唐来 宣人
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50 巻 (1979) 1 号 p. 54-61

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抄録

低質粗飼料に対するアンモニア処理が反すう家畜による繊維性物質の利用に及ぼす影響を明らかにするため,稲わら(RS),もみ殼(RH)とオーチャードグラス乾草(OH)の原材料とそれらをアンモニア処理したもの,さらにそれぞれから得られた繊維性物質区分(NDF, ADFおよびCF)ならびにアンモニア処理した各繊維性物質について,N含量は,in vitro乾物消失率(IVDMD)などを測定した.アンモニア処理した原材料からの繊維性物質ならびに繊維性物質をアンモニア処理したもののN含量は,いずれも無処理の場合より明らかに高かった.繊維性物質のIVDMDはCFが最も高くADFが最低であった.アンモニア処理されたNDFとADFのIVD-MDは,原材料をアンモニア処理した後に分離された繊維性物質のIVDMD値より高く,また無処理材料からの各繊維性物質のIVDMDの約2倍であった.アンモニア処理および無処理の原材料ならびにそれらのNDF,およびADFのIVDMDからND可溶物質,AD可溶物質およびヘミセルロースのIVDMDを算出した.RSとOHではND可溶物質のIVDMDが最も高く,ヘミセルロースは最も低い値を示した.一方,RHのこれらの区分のIVDMDは全般に低い値であった.すべての原材料において,これらの区分のIVDMDはいずれもアンモニア処理によって明らかに改善された.反すう家畜の飼料としての低質粗飼料に対するアンモニア処理による飼料価値の改善は,N含量の増加ならびに細胞壁の構造変化に伴なう細胞内容物,および繊維性物質に対する微生物消化の増大に基づくものと考えられる.

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