50 巻 (1979) 10 号 p. 700-704
pH7.0における洗浄ヤギ精子の嫌気的解糖および生存性に及ぼす低分圧のCO2の影響につき検討し,つぎのような結果をえた.1) 精子の嫌気的解糖はCO2不在下においてもかなり活発であり,生存性もCO2存在下と同程度に良好に維持された.2) 嫌気的解糖は気相の当初CO2分圧を0.3%とすることにより,CO2不在下よりも著明に促進された.しかし,当初CO2分圧を0.3%から1.0%に,あるいは1.3%から2.5%に高めても解糖促進の増強はみられなかった.また,3.0%CO2下での解糖は,1.0%CO2下および2.0%CO2下にくらべやや低下する傾向を示した.このような結果から,ヤギ精子の嫌気的解糖に至適なCO2分圧は0.3~2.5%と推定される.3) グルコース-U-14Cからの嫌気的14CO2生成は1.3~10.0%の当初CO2分圧下で著明に促進された.低分圧のCO2による14CO2生成の促進は,解糖におけるよりもはるかに顕著であった.