日本畜産学会報
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豚の赤血球酵素PHI,6PGD,PGMおよびADA型の出現頻度の品種間差異と親子鑑別における有効性
大石 孝雄小松 正憲
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50 巻 (1979) 12 号 p. 879-884

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抄録

日本のランドレース(L),ハンプシャー(H),大ョークシャー(W),デュロック(D)種の4豚品種集団から任意に抽出された464頭の赤血球酵素PHI,6PGD,PGM,ADA型を調査し,酵素型の出現頻度の品種間比較を行った.そして遺伝子頻度を基にして,各酵素型の親子鑑別における有効性を検討した.PHI,6PGD,PGM, ADA酵素はそれぞれ調査したすべての品種で多型を示し,既知の遺伝子が各々の酵素システムで観察された.PHIシステムではPHIAPHIB遺伝子が見出され,すべての品種においてPHIBの頻度がPHIAより高かった.6PGDシステムでは6PGDAと6PGDB遺伝子が見出され,品種間に著しい出現頻度の差異がみられた.すなわち6PGDAの頻度はHとW種では6PGDBよりかにり高かったが,逆にD種ではかにり低かった.PGMシステムではPGMAPGMB遺伝子が見出され,PGMBの頻度はPGMAよりすべての品種におい内高く,L種以外の品種では大きに差異を示した. ADAシステムでは3つの遺伝子(ADAA, ADAB, ADAO)が見出され,その出現頻度は品種間で著しい差異を示した.LとW種では3つの遺伝子が存在していたが,H種ではADABが,D種ではADAOが見出されなかった.D,WおよびL種ではADAAが圧倒的に高い頻度を示したが,H種ではADAOの頻度が圧倒的に高かった.次にこれらの酵素型座位による父権否定の確率を各品種ごとに求めると,4っの座位を組み合せた確率として,L:0.482,H:0.214,W:0.326,D:0.329の値が得られた.そして赤血球抗原型7座位,血清蛋白質型5座位,血清アロタイプ2座位と組み合せた合計18座位によって父権否定の確率は,L:0.926,H:1.829,W:0.883,D:0.814の値に達した.

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