日本畜産学会報
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低温環境下のメン羊の生理反応に及ぼすレセルピンの効果
大城 政一佐々木 康之浜崎 正雄津田 恒之
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1979 年 50 巻 9 号 p. 609-613

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抄録

成雌メン羊(コリデール種)3頭を供試し,低温環境下(0°C•相対温度70%)でレセルピンの筋肉内注射(1.00μg/体重kg)を連続7日間にわたって行い,それによるカテコールアミンの分泌抑制が低温適応に及ぼす影響を観察した.また,同様の実験を生理的食塩水を用いて行った.ノルアドレナリンおよびアドレナリンの7日間の平均排泄日量はレセルピン注射区において,それぞれ48.1±7.4μg/日および24.6±5.4μg/日,生理的食塩水注射区において,それぞれ91.9±10.5μg/日および33.8±3.5μg/日であって,レセルピン注射区でそれぞれ低い排泄量を示した.両注射区間でノルアドレナリン排泄量には有意差(P<0.01)が認められた.呼吸数,血糖値,血漿遊離脂肪酸濃度,血漿乳酸濃度,尿量には両注射区間に有意差はなく,心拍数はレセルピン注射区で有意(P<0.01)に高かった.直腸温はレセルピン注射区で有意(P<0.01)に低下し,熱生産量もレセルピン注射区(62.1±5.1Kcal/時間)で生理的食塩水注射区(87.5±6.1Kcal/時間)より有意(P<0.01)に減少した.実験末期にはレセルピン注射区の直腸温,熱生産量は更に低下し,心拍数も減少した.一方,ノルアドレナリン,アドレナリンの尿中排泄量が増して,カテコールアミンの体内枯渇状況を示し,動物は著しく衰弱した.

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