抄録
ナイロン栓で密栓した新型ポリウレタン•バルーンカテールを用いて,未交配家兎の卵管,子宮ならびに子宮頸の内圧変化を測定した.卵管の収縮頻度(6.0±1.0/分)は,子宮(1.0±0.2/分)と子宮頸(1.9±0.5/分)よりも高かった.突発性収縮が反復して認められたが,生殖器各部位でかならずしも同調していなかった.1日1-2時間の測定を15-32日間続けた結果,それぞれの器管の収縮振幅には日変動がみられた.3部位中卵管の内圧が最も高く(平均,38mmHg),かっ変動も著しかった(範囲,5-160mmHg).子宮の平均振幅は20mmHg(範囲,3-70mmHg)で,子宮頸の内圧は最も変動が小さく平均9mmHg(範囲3-26mmHg)であった.各器管の収縮運動の振幅にはしばしば4-7日(平均,5.6日)間隔の周期的変化がみられた.その傾向は卵管よりも子宮と子宮頸で明瞭に認められた.未交配家兎生殖器道の運動性は卵巣周期と関連していることが示唆された.