52 巻 (1981) 9 号 p. 639-645
lactic streptococciファージおよびlactobacilliファージの研究に比べてleuconostocファージの研究は,著しく遅れており,leuconostocファージの性質について不明な点が,多い.leuconostocファージの諸性質を明らかにすることを目的として,ブルーチーズから分離されたLeuconostoc dextraniumファージLd-6の諸性質を検討し次の点を明らかにした.1) ファージLd-6のプラークは,YGC寒天培地上で宿主菌Leuconostoc dextranium φ 46-8菌株を用いてそのプラークを形成させると,直径約2mmの鮮明な形態であった.2) ファージLd-6の形態は,収縮性の鞘を持たずBRADLEYの分類に従うとグループBに属した.またファージLd-6の頭部と尾部の大きさは,約470A×530A,約1200A×70Aであった.3) ファージLd-6の宿主菌に対する感染多重度を増すにしたがい,培地中での溶菌現象の起る時間が,早くなっていった.4) ファージLd-6は,YGC培地中で63°Cで10分間加熱処理した場合ほとんど失活せず,また73°Cで60秒加熱処理した場合でも完全に失活せず強い耐熱性を示した.5) ファージLd-6の潜伏期と放出数は,YGC培地中,27°Cの培養温度でそれぞれ約40と45分の間,約300であった.