54 巻 (1983) 11 号 p. 699-705
牛乳β-ラクトグロブリンの抗原性に及ぼすアミノ基の化学修飾の影響を,家兎抗β-ラクトグロブリン血清を用いたロケット免疫電気泳動法,沈降重層反応法および被動性皮膚アナフィラキシー抑制反応法により調べた.β-ラクトグロブリン中の全アミノ基の約30%を還元的アルキル化,あるいはスクシニル化しても抗原性はさほど低下しないが,約95%をマレイル化,あるいはアセチル化することにより抗原性は著しく低下することが確認された.また,それらマレイル化およびアセチル化β-ラクトグロブリンの電気的移動度は,未修飾β-ラクトグロブリンと比べて,陽極側に顕著に変化し,アミノ基の修飾による極性の変化が認められた.