日本畜産学会報
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クロムなめし排水の循環利用における浸酸に用いたギ酸の影響
伊藤 和彦中川 成男岡山 高秀
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1983 年 54 巻 4 号 p. 263-268

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抄録

ピックル液に添加したギ酸がクロムなめし排水を循環利用する過程で,クロム液の組成と革質に与える影響を検討した.ナトリウム,硫酸イオンなどクロム液の組成は循環の3~5回までは変動したが,その後は安定した.
ピックル液に添加したギ酸は浸酸皮によってクロム液中に移行し,9回までの循環の間にクロム液中に蓄積し,その間に徐々にクロム錯塩に配位して,錯塩はカチオンからアニオンに多少移行する傾向が見られる.これはイオン交換クロマトグラフィー及び〓紙電気泳動法による荷電分布の分析で明らかとなった.しかし20回の排水の循環利用で,クロム錯塩は過度のアニオン化もなく,革の機械的強度を測定した結果からも,革質に異常がないことが認められた.

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