日本畜産学会報
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山羊乳カタラーゼのアイソザイム
伊藤 整阿久澤 良造
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1984 年 55 巻 4 号 p. 220-226

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抄録

山羊乳カタラーゼのアイソザイムを明らかにするため,山羊乳をクリームと脱脂乳に分離し,カタラーゼを別々に部分精製後,DEAF-Sephacelクロマトグラフィー,ディスク電気泳動を行なって,山羊乳カタラーゼのアイソザイムを検討した.クリーム試料をDEAE-Sephacelクロマトグラフィーで分画した結果,0.1Mと0.15Mのそれぞれ異なったNaCl濃度位置に,カタラーゼピークが認められた.脱脂乳試料もクリーム試料と同様,0.1Mと0.15Mの濃度位置にそれぞれカタラーゼピークが見出された.またディスク電気泳動を行ない,カタラーゼの易動状況を確かめた.その結果,クリーム,脱脂乳とも,原点より8mm,45mmの2ヵ所に,カタラーゼ活性バンドが認められ,明らかに山羊乳中には,性状の異なる2種類のカタラーゼが存在し,山羊乳カタラーゼのアイソザイムが明らかとなった.

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