日本畜産学会報
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ばっ気式ラグーン実験装置による豚糞処理の窒素除去に関する基礎的条件の検討
柿市 徳英鎌田 信一小林 茂内田 和夫
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56 巻 (1985) 11 号 p. 860-865

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抄録

公共用水域における富栄養化防止を目的に,ばっ気式ラグーン法による豚糞処理での窒素除去効率を向上すべく基礎的実験を行なった.そこで,ORPの減少速度,酸素消費速度(OUR),添加TOC濃度,MLSSおよび硝酸性窒素濃度が脱窒速度や窒素除去率にどのような影響を認めるかを調査した.運転方法は回分式の5日滞留により,ゆるい脱窒攪拌を5時間行なった.その結果は次のとおりである.1. 添加TOC濃度の高いほど,ORPの減少が速い傾向を認めた.しかし,MLSS濃度のORP減少への影響は添加TOC濃度より小さかった.2. 添加TOC濃度150mg/l以上でのMLSS1g当りのOUR(mgO2/g MLSS/hr)は,ほぼ一定値を示した.一方,MLSS濃度とエァレーションタンク単位容積当りのOUR(mgO2/l/hr)は正の相関を認めた.3. エァレーションタンク単位容積当りのOUR(mgO2/l/hr),硝酸態窒素濃度あるいはMLSS濃度のそれぞれと脱窒速度に正の相関を認めた.4. MLSS濃度5000~6000mg/l,硝酸性窒素18~22mg/lおよび添加TOC 440~640mg/lの条件下で2時間以上のゆるい攪拌時間をもてば80~85%の脱窒率が得られた.以上より,ばっ気式ラグーン法への生物学的脱窒法の応用の可能性が示唆されるとともに脱窒のための有機炭素源として供試汚水の前処理豚糞が使用できることが分かった.さらに,この成績を基礎として半回分式に応用し,長期間の脱窒運転を試みる予定である.

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