日本畜産学会報
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マウスのもどし交雑種における標識遺伝子座のヘテロ接合性と産子数との関係
三上 仁志大西 彰阿部 恒夫
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57 巻 (1986) 2 号 p. 149-156

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抄録

マウス近交系間もどし交雑1世代,(C57BL×C3H)×C3H,および第2世代,(F1×C3H)×C3Hと(F1×C57BL)×C3H,合計621匹を用いて,標識遺伝子座のヘテロ接合性と産子数との関係を調べた.標識遺伝子座としては,電気泳動によりこれまでに両近交系間で変異の報告されている13座位を利用した.もどし交雑第1世代では,ヘテロ接合性の増加にともない産子数が増加する統計的に有意な関係が見られた.しかし,第2世代の2つの集団ではいずれも有意な関係は認められなかった.個々の標識遺伝子座におけるヘテロとホモの産子数の差は,一例を除きすべて有意でなかった.しかし,ヘテロの平均からホモの平均を引いた差は,第1世代においては13座位中11座位で正であり,微少なヘテロ性効果が存在する可能性が示された.第2世代では,正の符号は7座位と5座位で観察されたにすぎなかった.これらの結果から,もどし交雑第1世代で観察された標識遺伝子座のヘテロ接合性の増加と産子数の増加との関係は,標識遺伝子自体のヘテロ性効果によるものでなく,標識された染色体周辺に位置する遺伝子座群のヘテロ性効果の累積によるものと推測された.標識遺伝子座と周辺の遺伝子座とのヘテロ性の関連は,遺伝的に明確に異なる近交系間の交雑がもたらした連鎖不平衡によるものであろう.そのため,もどし交雑を反復した第2世代では不平衡の程度が減少し,関連性を探知できなかったと考えら

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