57 巻 (1986) 9 号 p. 765-769
めん羊のグルコース誘起性インスリン分泌に対する,酢酸塩の静脈内注入の効果について検討した.酢酸塩を10-6,10-5および10-4mol/kg/minの用量で,130分間にわたり静脈内に連続注入したが,血漿グルコースおよびインスリン濃度に影響を及ぼさなかった.グルコース注入(0.5mmol/kg)は,酢酸塩および生理的食塩水連続注入時において,血漿グルコース濃度を同程度に上昇させた.グルコース注入後の血漿インスリン濃度は,食塩水連続注入時よりも,酢酸塩連続注入時の方が高かった.グルコース誘起性インスリン分泌に対する酢酸塩の増強効果の大きさは,10-6,10-5および10-4mol/kg/minのどの連続注入割合においても同じであった.めん羊においては,血液中の酢酸塩はインスリン分泌を強く刺激することはないが,グルコースに対する膵臓B細胞の反応を活性化する可能性がある.