日本畜産学会報
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ヤギおよびニホンカモシカ (Capricornis crispus) 松果体の組織形態の加齢にともなう変化
大島 浩二松尾 信一
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58 巻 (1987) 11 号 p. 937-945

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抄録

反舞動物である家畜のヤギと野生のニホンカモシカを用いて, 松果体の組織形態, 特に加齢にともなう変化を光顕と電顕により検討し, 以下のような結果を得た. 1) ヤギおよびカモシカの松果体は間脳の視床上部に位置し, 矢状断による形態はヤギでは卵円形-西洋梨形で, カモシカでは楕円形を呈していた. 2) ヤギおよびカモシカの松果体細胞は直径6-8μmの円形の核を有し, 松果体実質の大部分を占めていた. 90日齢のヤギの松果体細胞内には, 大形の脂肪滴や, しばしば結晶構造が存在し, 成獣のもので, 有芯小胞が幾分増加したが, 加齢にともなう著しい変化はみられなかった. 3) ヤギおよびカモシカのグリア細胞は松果体細胞より幾分大形, 明調で血管周囲腔に近接して2-3個かたまって存在していた. ヤギの成獣のグリア細胞は大きな切れ込みをもつ核を有し, 細胞質には多数のグリアフィラメント束や二次ライソゾームかリポフスチン様の暗調顆粒が増加していた. 4) 加齢にともなってヤギの松果体では, 色素顆粒含有細胞が増加し, 神経細胞が減少していた. しかし, カモシカの松果体には色素顆粒含有細胞は認められなかった. また, 10日齢のヤギにのみ, 松果体の血管周囲腔に, PAS陽性細胞が存在し, 心臓のプルキンエ細胞に極あて類似していた. 5) ヤギおよびカモシカの松果体実質には広い細胞間隙や細胞密度の著しく低い円形の網状構造が存在していた. さらに, カモシカのものでは, しばしば上衣様細胞によって囲まれた嚢胞が認められた.

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