59 巻 (1988) 8 号 p. 740-747
体重8~18kgの子琢のリジン要求量を求めるために2回の試験を行なった.子豚には2水準の可消化エネルギーと,それぞれ5水準のリジンを含む飼料を与え,リジン含量は0.65%(基礎飼料)から1.61%までとした.試験飼料はカゼイン,小麦グルテンを蛋白質源とする精製飼料とした.飼養試験は21日間行ない,増体量,飼料効率,血漿遊離アミノ酸濃度および尿素態窒素濃度を測定した.乾物,粗蛋白質および総エネルギーの消化率を飼養試験の中間時点で測定した.その結果,粗蛋白質の消化率は91.9%であり,これはトウモロコシ,大豆粕を主体にした実用飼料よりも高い値であった.可消化エネルギー含量の違いは結果に大きな影響を与えなかった.増体量および飼料効率を指標にした場合,リジン要求量は,8.1g/日および飼料中含量として1.20%であった.本試験では,血漿中のリジン濃度および尿素態窒素濃度の変化は明確な折点を示さなかった.血漿中のリジン濃度は,リジン摂取量に応じて上昇したが,トレオニン濃度は逆に減少した.他のアミノ酸には大きな変化はみられなかった.