60 巻 (1989) 12 号 p. 1117-1121
稲わらをアンモニア処理,蒸煮処理および蒸煮後アンモニア処理することが化学組成,自由摂取量および消化率に及ぼす影響を明らかにするため,去勢羊を用いて4×3ユーデン方格法による試験を実施した.アンモニアの添加量はわら重量の3%であり,蒸煮条件は8kg•cm-2の蒸気圧で20分間であった.アンモニア処理により,窒素含量が高められNDFおよびヘミセルロース含量は対照の無処理のわらにくらべ減少した.また,乾物摂取量,乾物および繊維成分の消化率が向上する傾向が認められた.蒸煮処理により,NDFおよびヘミセルロース含量は減少したが,ADFおよびADL含量は増加した.また,乾物摂取量およびセルロースの消化率はやや上昇する傾向にあったが,NDFおよびADFの消化率はやや低下する傾向が認められた.蒸煮後アンモニア処理することにより,両処理が加算的に影響するようであり,ヘミセルロース含量が無処理わらにくらべて著しく減少し,乾物摂取量は顕著に上昇した.各成分の消化率はいずれもアンモニア処理をした稲わらにおいて最も高かったが,蒸煮処理の後アンモニア処理をすることにより,両処理の間の値となった.