日本畜産学会報
Online ISSN : 1880-8255
Print ISSN : 1346-907X
ISSN-L : 1880-8255
23°Cおよび35°C恒温環境下における産卵鶏の熱産生量,心拍数,呼吸数および体温の日内変動について
西堀 正英李 玉芝藤田 正範伊藤 敏男山本 禎紀
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 60 巻 6 号 p. 529-533

詳細
抄録

暑熱環境下におけるニワトリの体温調節の日内変動の特徴を知るために,産卵鶏を4羽用い,23°Cおよび35°C恒温下の自由採食区と35°C区での採食量と同量を23°C恒温下で給与した制限給飼区の3区を設け,熱産生量,心拍数,呼吸数および体温の日内変動を調べた.日平均熱産生量は日採食量の等しかった35°C区と23°C制限給餌区で18kJ/kg0.75•h(以下kJと略す)となり,23°C自由採食区では23kJと高かった.各区とも明期に高く,暗期に低くなり,両23°C区でその差は大きかった.平均心拍数は23°C区,35°C区,23°C制限給飼区の順に高く,熱産生量と同様に明期で高く暗期で低くなった.呼吸数は両23°C区で低く,35°C区で高くなった.両23°C区では明期に高く,暗期に低くなかったが,35°C区では消灯とともに高くなり,点灯に向かって低下した.体温は35°C区,23°C区,23°C制限給飼区の順に高かった.また,両23°C区で明期に高く暗期に低かったが,35°C区では暗期の低下は認められなかった.以上のように産卵鶏では,明期と暗期との体温および各生理反応に明らかな違いが認められ,特に高温期においては明期のみならず暗期の環境管理も重要であると思われた.

著者関連情報
© 社団法人日本畜産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top