日本畜産学会報
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ブタ保存臓器からのミトコンドリアDNA精製とそのRFLP分析
坂上 正行田中 一栄鈴木 伸一坂井 活子向山 明孝
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62 巻 (1991) 2 号 p. 125-134

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抄録

低温保存したブタの臓器からミトコンドリアDNA(mtDNA)を精製し,その精製mtDNAを用いたRFLP分析を行なった.ブタの肝臓,精巣,胎盤の各臓器を各種温度条件下で保存し,これらの臓器からmtDNAを定法に従って精製したところ,採取後21日目まで-20°Cないし-80°C下で保存された各臓器からは,いずれもRFLP分析に十分な純度のmtDNAが精製され,その電気泳動像は,ocDNAとcccDNA領域を示す2本のバンドが検出された.低温保存下の物理的な切断によるRFLP分析への影響は認められなかった.肝臓10g当たりからのmtDNAの収量は約300μgであり,RFLP分析に必要な電気泳動用試料として十分な収量であった.また,各臓器におけるmtDNAの収量は,肝臓>精巣>胎盤の順に多かったが,血液からの收量は極めて少なく,RFLPの検出には不適当と思われた.なお,低温保存臓器から精製されたmtDNAの電気泳動像は,4°Cにて21日間保存された各臓器についてはバンドが検出されなかった.以上の結果にもとづき,保存した肝臓を対象として各ブタ品種が有するmtDNA型を調査したところ,ランドレース種,ハンプシャー種においていずれも同一型が検出された.また,mtDNAのRFLPは,大ヨークシャー種,中ヨークシャー種に検出されたA型およびB型に見られるように.ブタの複雑な品種成立の過程をよく反映する指標となることが示された.さらに,三元交雑種LWDの持つmtDNA型の調査によって,ブタのmtDNAが母性遺伝を示すことが確認された.

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