日本畜産学会報
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テストステロンによるコルチコステロン誘発性成長阻害の抑制およびその機構
林 國興A. G. KAYALI冨田 裕一郎
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63 巻 (1992) 10 号 p. 1001-1008

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抄録

動物がストレスを受けると副腎皮質ホルモン分泌が増加するので,骨格筋蛋白質の合成抑制および分解昂進が生じ,成長が陽害される.本研究では,2回の実験を行なって,副腎皮質ホルモン(コルチコステロン,CTC)による成長阻害がテストステロンプロピオネイト(TP)によって緩和されることならびにそのメカニズムの一端を示した.実験1では体重約210gのSD系雄ラット18頭を対照(C)区,CTC区およびCTC+TP区の3区に分けた.体重100gあたりCTCは10mg, TPは2mgを毎日皮下注射し,6日間,骨格筋蛋白質分解速度の指標であるNτ-メチルヒスチジン(MH)排泄量を測定した.実験2では,実験1と同様の処理を施したラット36頭を用いて,[3H]フェニルアラニンの大量投与法により実験開始後4日目と8日目の骨格筋蛋白質の合成速度を測定した.その結果,CTCにより,成長は著しく阻害され,MH排泄は4日目まで顕著に増加し,以後,減少した.また,CTCによる成長阻害ならびにMH排泄増加はTPにより,抑制された.一方,合成速度は,CTCにより著しく低下したが,TPにはこれを緩和する作用はなかった.以上の結果より,テストステロンは,コルチコステロンによる骨格筋蛋白質の合成阻害を抑制せず,分解促進を抑制することによって,成長阻害を緩和すると考えられる.また,この結果は,雄と雌の成長の違いが副腎皮質ホルモンとテストステロンの関係に基づく可能性を示唆している.

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