66 巻 (1995) 5 号 p. 430-435
乳酸菌菌体が種々の変異原性物質を菌体表面に結合させる事実について筆者らはこれまでに報告してきた.本実験ではその結合の安定性を知る目的から,トリプトファン加熱分解物であるTrp-P1もしくはTrip-P2を予め結合させておいたLactobacillus casei subsp. casei R-52菌体を種々のpH(pH2.0-8.0)の下においたときや,トリプシンや胆汁酸の下においたときの結合解離の有無を調べた.その結果,結合解離はpH依存性であり,トリプシンの存在下で結合解離が認められなかったのに対し,胆汁酸の存在下で顕著な解離が起ることが認められた.すなわち,0.3%のoxgall存在下で菌体に結合したTrp-P1のうち50%が,またTrip-P2では85%がそれぞれ解した.