日本畜産学会報
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大豆サポニンと大豆タンパク質がコレステロール添加飼料を給与したニワトリヒナの血清コレステロール濃度に及ぼす影響
上田 博史松本 暁合谷 祥一
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1996 年 67 巻 5 号 p. 415-422

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抄録

大豆タンパク質の血清コレステロール降下作用に大豆サポニンがどの程度関与しているのかを調べるために,単冠白色レグホン雄ヒナを用いて10日間の飼育試験を3回行った.試験飼料の粗タンパク質含量は20%とし,1%のコレステロールを添加した.試験1では,カゼインをタンパク質源とする基礎飼料中の12%のグルコースをビーフタローで代替した飼料(タロー飼料)を調製し,これらの飼料に大豆サポニンを1.5%添加した.血清および肝臓のコレステロールとトリグリセリド濃度は,いずれもタロー給与で増加した.大豆サポニンはタロー飼料給与区の血清および肝臓のコレステロールとトリグリセリド濃度を低下させたが,基礎飼料給与区ではサポニンの影響はみられなかった.試験2では,基礎飼料およびタロー飼料中のカゼインを分離大豆タンパク質で置換したときの血清コレステロール濃度の変化を調べた.サポニン添加の影響がタロー飼料給与区でみられたのとは対照的に,大豆タンパク質の血清コレステロール降下作用は基礎飼料区で顕著であった.試験3では,タンパク質源として用いた大豆カスからエタノールでサポニンを除去し,血清コレステロールおよびトリグリセリド濃度に及ぼす影響を調べた.タローを添加した大豆カス飼料にコレステロールを添加すると血清コレステロールとトリグリセリド濃度はいずれも増加し,大豆カスの血清コレステロール降下作用はみられなかった.また,サポニン除去による影響も認められなかった.分離大豆タンパク質飼料のサポニン含量が0.1%程度であることを考慮すると,以上の結果は,高濃度の大豆サポニンは血清コレステロール降下作用をもつものの,分離大豆タンパク質の血清コレステロール降下作用を説明できないことを示す.

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