地球環境
Online ISSN : 2758-3783
Print ISSN : 1342-226X
論文
国内の水環境中における生活由来化学物質の環境実態及び生態リスク評価
西野 貴裕加藤 みか宮沢 佳隆飯田 有香東條 俊樹浅川 大地大方 正倫松村 千里羽賀 雄紀坂本 和暢栫 拓也長谷川 瞳平生 進吾高澤 嘉一
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2023 年 27 巻 3 号 p. 235-242

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抄録

 日常生活で使用する医薬品などの生活由来化学物質に関して,国内の水環境における実態調査を進めるとともに,水生生物を利用した毒性試験から得られた毒性情報をもとに生態リスク評価を行った。さらに,調査を夏季と冬季の2 季節にわたって行うことで濃度の季節変動も把握した。公共用水域では,抗生物質のクラリスロマイシンや14-ヒドロキシクラリスロマイシン,エリスロマイシンといった抗生物質と,鎮痒剤のクロタミトンに関して,水生生物に対する予測無影響濃度(PNEC)を超える濃度で検出される地点があった。濃度の季節変動に関しては,クラリスロマイシンなどの抗生物質,フェキソフェナジン等の抗ヒスタミン剤は冬期に,昆虫忌避剤のN,N -ジエチル-m -トルアミドは,夏期に濃度が高くなる傾向があった。

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© 2022 一般社団法人国際環境研究協会
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