【目的】扁平足における後足部の骨動態を解析するために, 足関節の底背屈時における後足部の3次元動態を解析した. 【方法】健常ボランティア11例22足, 扁平足患者15例29足を対象とした. 足関節中間位, 最大底背屈位で後足部のCTを撮像し, 骨の3次元再構築画像を作製した. Volume merge法を用いて足関節底背屈に伴う距腿関節, 距踵関節, 距舟関節の関節運動を定量的に評価した. 【結果】足関節背屈時には扁平足は正常足と比較して距腿関節の背屈が減少していた. 足関節底屈時には, 扁平足は正常足と比べて距腿関節の底屈内転が減少し, 距踵関節の底屈内転, 距舟関節の底屈内転が増加していた. 【考察】距腿関節の底屈内転可動域が足関節底屈時において減少し, 代償的に距踵関節および距舟関節の底屈内転可動域が増加することが判明した. 扁平足における後足部の動態を詳細に理解することは, 扁平足の病態解明や治療方針決定に重要であると考えた.