CIEC春季カンファレンス論文集
Online ISSN : 2759-5196
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日本語学習におけるAI機械翻訳の活用方法
寺門 芽衣 菅谷 克行
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2024 年 15 巻 p. 15-21

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抄録

 近年,機械翻訳の性能が向上し,さまざまな場面で活用されている。言語習得学習における活用も検討がなされており,例えば機械翻訳の利用が英語学習に対してポジティブな影響を与えること等の報告がある。また国内における日本語学習者数は増加傾向にあり,出身国・地域や母語・使用言語も多様である。そのため,多言語に対応した日本語学習教材や教育環境の提供・必要性が高まっている。そこで本研究では,機械翻訳の利用が日本語学習にどのような影響を与えるのかを実践を通じた調査により明らかにし,日本語学習における機械翻訳の有効的な活用方法を検討・提案することを目的とした。作文・読解・聞き取りの各課題による実践調査の結果,それぞれの技能において機械翻訳を利用することにメリットがあることが示唆された。その結果から,文章を書く際には機械翻訳を利用して日本語の文章の確認や添削を行うことで正しい表現や単語等を知ることができること,機械翻訳を使えば記事や小説などの多くのコンテンツを教材として利用できるようになること,機械翻訳の音声出力機能を利用することで,発音を確認して読むだけでなく耳で聞いてより自然な発音を知ることができることを,日本語学習におけるAI機械翻訳の有効な活用方法として提案した。

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