2024 年 15 巻 p. 22-27
認定特定非営利活動法人カタリバは,コロナ禍にオンライン教育サービスである「オンライン放課後プログラム(旧カタリバオンライン)」を開始し,休校措置に見舞われた2020年から現在に至るまで,子どもたちの創造性ある学びを目指した活動を行ってきた。著者はこのプログラムの中で,伴走スタッフとして安心できる居場所づくりを目指して子どもたちのサポートを実施してきた。本論文ではその内容と実践の結果を報告する。具体的には,振り返りミーティングデータの発言内容についてカテゴリー分けし,その発言回数や割合等の推移に基づき,スタッフであるキャスト同士のコミュニケーションを分析した。文面で記録されたデータのうち,2021年7月から2022年12月までの期間を対象に分析した結果,月ごとの合計発言数は時間が経過するにつれて減少し,キャストの人数も同様に減少していることがわかった。それに伴い,議題を立てて話し合いをしながら子どもやプログラムへの向き合い方を深めるコミュニケーションが減少したことが明らかになった。一方で,互いを称賛するコミュニケーションは,時期を問わず一定量の発言があった。