主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会
会議名: ケモインフォマティクス討論会
回次: 39
開催地: 浜松
開催日: 2016/09/29 - 2016/09/30
p. Y6-
中性およびアルカリ性電解液中で Ag電極に4,4’-ビピリジン(BiPy)を吸着させると、BiPyがない場合に比べて30倍ほど水素発生反応(HER)が促進されることを見いだした。本研究ではそこで本研究ではBiPyによるHER促進機構を表面増強赤外分光、電気化学測定、DFT計算を組み合わせることで明らかにした。SEIRASと電気化学の同時測定から、HERの開始電位はAg電極に吸着したBiPyの1e- + 1H+ 還元と一致し、水素発生電位では安定して電極上にmonohydro BiPy(BiPy-H*)が観測された。さらに詳細な電気化学測定から、水素発生中ではBiPy-H* がさらに1e- + 1H+ 還元されることが明らかとなった。DFT計算から、その2段目の還元種は N,N-dihydro BiPy (BiPy-H2) であり、この分子種は不安定なためにBiPyとH2にすぐに分解するが、またBiPy-H*に還元されることから反応が触媒的に進むことが明らかとなった。