中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 1-D-O-44
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O-12 腰椎2
腰椎黄色靭帯の自然経過 _---_flavumの肥厚に可逆性はありうるかー
酒巻  忠範三上  浩岡田  祐司浜田  大輔
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抄録
【目的】腰部脊柱管狭窄症の治療でflavumの肥厚は重要な因子であるにもかかわらず、これまで自然経過に関する報告は無い。個々の経年的変化を追跡することが困難なことにくわえて、mm単位となる計測上の問題が原因と考えられる。今回、MRIから各年齢のflavum値を計測し、flavumの自然経過ならびに肥厚病態を考察した。【対象及び方法】15歳?92歳(平均52.1歳)の162例に対し、椎間関節レベルでflavumの厚さを計測。1)椎間別(L2/3?L5/S)に、年齢によるflavum値分布を作成した。2)さらに、L4/5で年代別に椎間高および椎間板輝度とflavum値の比較検討をおこなった。【結果及び考察】1)各椎間とも加齢に伴いflavum値は増加した。特にL4/5では他椎間に比べて増加が大きく、肥厚には加齢の他にメカニカルストレスが因子となることがわかった。2)L4/5で椎間高および椎間板輝度と比較したところ、flavum値は50?60歳代で椎間高減少に伴い増加した。一方、70歳代以後では椎間高と相関せず、逆に椎間板輝度が低下している群で有意に低い結果となった。以上より、flavumの病態には椎間高減少に伴う短縮肥厚の後、一部には椎体のtraction spur同様可逆性変化が存在し、椎間可動性の減少による廃用性萎縮をきたす例があると考えた。また可逆性変化の存在は、flavumに対する保存療法の可能性を示唆するものであった。
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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