中部日本整形外科災害外科学会学術集会 抄録集
第105回中部日本整形外科災害外科学会
セッションID: 2-A-S-6
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S-10 橈骨遠位端骨折の観血的治療
橈側進入Non-bridging type創外固定器による橈骨遠位端骨折の治療経験
大川 隆太郎木佐貫 修安藤 祐之吉本 雅俊矢島 弘嗣
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抄録
【目的】2003年6月より橈骨遠位端骨折に対して遠位ピンを橈側より刺入するNon-bridging type創外固定器を用いて治療を行った。 【症例】49例(男性12例女性37例)52骨折で、年齢は平均64歳、術後経過観察期間は平均5.4ヶ月であった。骨折型はAO分類のA2型20骨折、A3型15骨折、C1型8骨折、C2型8骨折、C3型1骨折で、遠位橈尺関節に動揺性を認めない症例では術翌日より可動域および握力訓練を行い、平均6.7週で抜釘した。 【結果】術後掌背屈可動域および握力は健側の各々95%、68%であった。Volar tiltは平均_-_17.5度から10度に、Radial inclinationは平均15.4度から22.2度に、Ulnar varianceは平均1.2mmから0mmにそれぞれ改善した。pin刺入部の感染を2例に、橈骨神経刺激症状、長母指伸筋腱皮下断裂を各1例づつに認めた。 【考察】本法の最大の利点は術直後より手関節の可動域訓練を行う事が可能で、術後の拘縮やギプス固定による骨萎縮を回避できることにある。従って、従来ギプス固定で治療していたタイプの骨折や骨粗鬆症を有する症例などでは適応してもよい。また遠位pinが1.8または2.0mmと細いため、従来型のNon-bridging type創外固定器ではpinが太いため対応できなかった関節面に近い骨折や関節面粉砕骨折にも、本創外固定器は対処できる。
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© 2005 中部日本整形外科災害外科学会
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