リアルオプションと戦略
Online ISSN : 2189-6585
ISSN-L : 2189-6585
寄稿
一定消費を保障する資産配分戦略の検証
鶴谷 俊行
著者情報
研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2018 年 10 巻 3 号 p. 42-57

詳細
抄録

本稿は、公益事業を目的とする宗教、教育法人、信託財団などの非営利団体に適する長 期的な資産配分戦略について、分析を行う。ある非営利団体をモデルとして事業計画の期初にお いて、まとまった寄付金を初期資産として受け入れ長期間運用する中で、その一部を事業運営費 に振り向けていくことを可能にする戦略を検討する。 資産配分戦略として、伝統的な資産配分戦略と、先行研究に基づいた一定消費を保障する戦略 とを比較したシミュレーションを行った。分析期間は1989 年1 月から2018 年3 月までの約29 年 間の月次データを用いて、インデックス運用を危険資産、日本国債10 年物を安全資産としたポー トフォリオの分析と検証を行った。さらに、リーマンショックのような金融市場の大きなニュー スを境目として、分析期間を三分割し、再度検証を試みた。いずれも一定消費を保障する戦略の 方が、相対的に毎期の消費は安定的であり、かつ期末資産残高は多く、最適な資産配分と毎期の 消費との間に密接な関係が生じることが確認された。

著者関連情報
© 2018 日本リアルオプション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top