理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 447
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骨・関節系理学療法
日本版膝関節症機能尺度(JKOM)の重症度に対する感度の検討
*濱崎 伸明須田 久美渡邊 裕之遠原 真一神谷 健太郎辺土名 隆相川 淳藤田 護占部 憲糸満 盛憲
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キーワード: QOL, 変形性膝関節症, 感度
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抄録

【背景・目的】日本版膝関節症機能評価尺度(以下JKOM)は変形性膝関節症(以下膝OA)患者のQOL評価尺度として開発された。JKOMは25の質問からなり、“膝の痛みやこわばり”8問、“日常生活の状態”10問、“ふだんの活動など”5問、“健康状態”2問の4つの下位尺度によって構成され、点数が低いほどQOLが高いことを示す尺度である。JKOMの信頼性・妥当性についてはいくつかの報告がなされてきている。しかし、本尺度の重症度に対する感度について検討した報告はみあたらない為、本研究ではそれを検討することを目的とした。
【方法】対象は北里大学病院膝教室(以下膝教室)に参加した膝に疼痛を持つ女性27名(年齢63.7±8.0歳)、膝に疼痛のない健常成人15名(年齢67.5±3.7歳)であった。膝教室参加者は膝関節レントゲン立位前後像より横浜市大式膝OA重症度(以下膝OA重症度)を判定した。JKOMならびにVASは事前に参加者に配布し、自己記入すると同時に評価結果の研究使用についての同意を書面にて得た。統計学的処理は、OA重症度に対するJKOM合計点数ならびに各下位尺度点数の関連性について一元配置の分散分析を用いた。測定尺度間の感度の比較はF値が最も低値を示す下位尺度が基準に取られ、これを分母にして相対効率(RE)を算出し比較した。
【結果】対象者のOA重症度はGrade0:15名、Grade1:2名、Grade2:21名、Grade3:3名、Grade5:1名であった。JKOM合計点数の平均はGrade0:3±2.9、Grade1:11±7.1、Grade2:25.5±12.9、Grade3:29.3±19.7、Grade5:55と膝OA重症度に応じて有意に高値を示した(P<0.01)。下位尺度においては“健康状態”をのぞき全ての尺度で重症度に応じて有意に高値を示した(P<0.01)。さらにREにより比較した測定尺度間の感度の比較においては、F値の最も小さい“健康状態”を基準にとり、“膝の痛みやこわばり”が7.71と最も高く、順にVAS6.86、JKOM合計点数5.71、“日常生活”3.86、“ふだんの活動など” 1.80と続いた。
【考察・まとめ】JKOM合計点数の平均値が、重症度に応じて有意に高値を示したことから、JKOMが膝OA重症度を反映する臨床的に有用な尺度であることが示唆された。また、測定尺度間の比較においてはJKOMの“膝の痛みやこわばり”が最も感度が高く、痛みの指標であるVASよりも高い感度を示した。これらのことは、JKOMが膝OA重症度を反映する感度の高い指標であることを示唆している。

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© 2006 日本理学療法士協会
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