理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 935
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教育・管理系理学療法
東大式エゴグラム(TEG)による性格分析
オーバーラップ・エゴグラムの活用
*堤 文生
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抄録

【目的】理学療法士・作業療法士の教育において、専門的知識の習得のみでなく、医療人としての人間性・社会性という職業への適正も重要な因子である。医療の臨床場面や教育現場での対人関係を円滑にする方法として、交流分析が活用されている。エゴグラムは自我状態の機能分析をグラフ化したものであり、そのパターンより自己の性格特性や行動パターンの特徴を理解するものである。昨今の教育現場では、学生数の急激な増加に伴い幅広い性格を有する学生への対応が求められている。今回、オーバーラップ・エゴグラムを活用し、他者との相性関係を求めることを目的とした。
【エゴグラムとは】交流分析の基本となるもので、人のパーソナリティーの自我状態(親、大人、子供)を、CP(批判的な親)・NP(養育的な親)・A(大人の自我)・FC(自由な子)・AC(順応した子)の5つに分け、この尺度高低(優位、劣位)のパターン分類より性格を解釈する方法である。オーバーラップ・エゴグラムとは、二者間(自分と相手)のエゴグラムを上下反対方向より重ね合わせ、相手との相性関係を求めるものである。
【対象及び解析方法】対象は、平成16年・17年に入学した新入生173名(PT:85名、OT:88名、男性96名、女性77名)である。入学初期にTEGを実施し、各学生の性格を分析した。演者は平成2年より自作のソフトを用いTEGを分析しており、今回新たにオーバーラップ・エゴグラム解析用ソフトを作成した。
【結果及び結論】本校の特徴として、各学科の教員は入学早期に全入学生の人間性を知ることを基本としている。その一助として、個人的にTEGを活用してきた。今回、オーバーラップ・エゴグラムの手法を用いて、演者と学生間の相性関係を調査した。演者のTEGは、CP(10点)、NP(20点)、A(19点)、FC(6点)、AC(3点)というNPとAが特に高い台形型(ボランティア・タイプ)である。エゴグラムの創始者であるデユセイは、「人間関係を維持するには最低2つの自我状態の重なりが必要である」と述べている。
 オーバーラップエゴグラムの手法として、次の2手法を用いた。
(1)各学生のエゴグラムと自我状態の重なりより相性関係を調べることで、どの自我状態にアプローチすればよいか、学生指導の方向性の参考とする。
(2)2年次のPT学生(36名)に演者のエゴグラムを連想させ演者との一致度を求めたり、各学生の性格を演者が分析し各学生との一致度を求める。この結果より、学生と教官双方のコミュニケーション度合い(理解度)を測ることとした。特に、成績不良(留年・中退)学生との対人関係において、相手に変化を求めるのではなく、TEG上での重なりを増す方向での接し方を検討すべきである。
 成績優秀・不良学生の事例を提示し、学生指導のあり方について意見討議したい。

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© 2006 日本理学療法士協会
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