理学療法学Supplement
Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1362
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骨・関節系理学療法
立位での肩内外旋時の上腕二頭筋の筋活動について
前腕の回内と回内外中間位での比較
*佐藤 啓介鶴田 崇池田 梨香田宮 武史緑川 孝二
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抄録

【目的】
立位で行われる腱板訓練は、前腕回内外中間位(以下;中間位)もしくは回外位で行われていることが多い。また腱板訓練は、棘上筋に対する肩甲骨面肩挙上運動、棘下筋に対する肩外旋運動、肩甲下筋に対する肩内旋運動が行われる。これらは単一筋に対するアプローチで、できるだけ他の筋が働かないような運動が望ましいとされている。
当院では腱板訓練を行う際、先の理由より上腕二頭筋の関与が少ないと思われる前腕回内位で行うように指導している。そこで今回、立位での肩内外旋運動を行う際、前腕回内位・中間位の違いが、上腕二頭筋の筋活動に与える影響を比較・検討した。


【方法】
対象は肩関節疾患の既往がなく、肩に愁訴を持たない健常成人10例10肩(男性6例6肩、女性4例4肩)、平均年齢25.9歳(21~32歳)。
方法は、壁面に背中をつけ体幹を固定した立位で、上腕は体側につけた下垂位、肘関節90°屈曲位とした。そして前腕回内位と中間位で、それぞれ肩内旋、外旋方向に運動を行った。運動は等尺性収縮とし、負荷量は手持ちバネ秤を用いてそれぞれ2kg、3kgの負荷をかけた。抵抗の位置は前腕遠位とし、抵抗の方向は前腕骨に対して90°垂直方向とした。
対象筋は上腕二頭筋とし、筋電位の導出には(株)日本メディックス製バイオモニターME6000を用いた。それぞれの前腕の肢位・負荷量下での上腕二頭筋の筋積分値を導き、得られた筋積分値から最大随意収縮(maximal voluntary contraction;以下、MVC)に対する%MVCを算出した。そして統計学的処理には、対応ありのt検定を用い比較した。

【結果】
2kg、3kg内旋では、上腕二頭筋の筋活動の回内位、中間位の2群間に有意差はみられなかったが、回内位群に比べ中間位群で大きい傾向にあった。2kg外旋では、回内位群に比べ中間位群の筋活動が有意(P<0.01)に大きかった。3kg外旋では、回内位群に比べ中間位群の筋活動が有意(P<0.001)に大きかった。
【考察】
今回の結果では、上腕二頭筋は前腕回外位での肘屈曲の主動作筋であるが、立位での肩内外旋運動においても前腕の肢位により上腕二頭筋の筋活動量が変化した。前腕回内位での肩内外旋運動の方が、上腕二頭筋の筋活動量が少ない結果であった。
腱板訓練は、腱板を選択的にトレーニングすることが目的で、いかにOuter musclesの筋活動を抑え、Inner musclesを選択的に活動させるかが重要である。よって今回の結果より、腱板訓練においては上腕二頭筋の筋活動量が少ない前腕回内位での肩内外旋運動の方が有効だと考えられる。
今回は、前腕回内と中間位の比較であり回外位においても今後比較・検討したい。

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© 2007 日本理学療法士協会
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