理学療法学Supplement
Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P2-0385
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香川県におけるスポーツ事業部の活動報告
藤井 保貴
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抄録

【目的】香川県におけるスポーツ事業部は,平成18年に香川県高校野球連盟からの要請を受け,香川県理学療法士会(県士会)員の有志8名が高校野球香川大会のメディカルサポート(以下MS)に参加したことが始まりである。県内のスポーツ現場からのニーズを受け,翌年に正式な事業部として活動を始めた。スポーツ事業部の活動目的は①スポーツ現場の障害予防の一助となること,②スポーツに興味のある県士会員のスキルアップを図ること,③スポーツ現場において理学療法士の活動を啓発することであり,9年間の活動を振り返り,若干の考察を交え報告する。【活動報告】平成19年から徐々に活動は拡がり,平成26年度は高校野球と高校サッカーと中学校バスケットボールの大会でMS活動を実施した。中でも第96回全国高等学校野球選手権香川大会では50名の県士会員が参加日程を調整し,MS活動を行った。活動内容は選手のクーリングダウンストレッチ66名,アイシング18名,三角巾固定2名,テーピング5名であり,また一般の方の熱中症なども20件あり,看護師と共に対応を行い3件の救急車要請を行った。また中学校バスケットボール大会では平成23年からのMS活動の実績が評価され,県大会だけでなく香川県で開催された第44回全国中学校バスケットボール大会にもMS活動で参加した。【考察】スポーツ事業部として活動を始めて8年が経つ中で,確実に信頼を高めてきた結果,活動が拡がり継続的であることは事業部の目的に沿った活動が出来ていると思われる。また県内の理学療法士養成校に高校野球出身者が多く入学していることを受け,MS活動による啓発効果の一つと思われる。しかし一方でスポーツ障害予防の観点からは,現状のみのMS活動では不十分と思われ今後の課題である。【結論】県内のスポーツ現場で理学療法士によるMS活動はニーズが高いため,更に対応できる人員確保とシステムつくりが必要である。

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© 2015 日本理学療法士協会
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