理学療法学Supplement
Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P-YB-07-3
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住民主体の骨粗鬆症と転倒の予防教室が骨密度と体力に及ぼす縦断的効果
藤縄 理菊本 東陽須永 康代廣瀬 圭子荒木 智子
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キーワード: 骨密度, 体力, 予防教室
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抄録

【目的】平成15年に骨粗鬆症と転倒の予防教室(教室)を6カ月間実施し,骨密度は変化しなかったが体力は有意に向上した。4年後参加者の骨密度は有意に低下していたが,体力は実施前より高かった。そこで20年以降住民主体で実施する教室を支援してきた。目的は教室参加者の骨密度と体力の縦断的効果を分析することである。【方法】対象は15年から参加している女性12名(G1;平均年齢±SD;71.5±5.6歳),20年以降参加している女性34名,男性3名(G2;70.3±5.1歳),23年以降参加している女性22名,男性4名(G3;65.7±6.0歳)とした。骨密度は超音波法で踵骨の音響的評価値(OSI)を測定し,若年成人平均値(YAM%)と同年齢平均値(同年齢%)を算出した。体力は膝伸展筋力を把持筋力計により,握力,上体起こし,長座位前屈,開眼片脚起立,10m障害物歩行,6分間歩行を文部科学省の新体力テスト(65歳~79歳対象)により計測した。統計分析は,G1は15年から26年までの11年間,G2は20年から26年までの6年間,G3は23年から26年までの3年間の比較を一元配置分散分析で行った。【結果】骨密度は各群ともOSI,YAM%では低下し(p<0.001),同年齢%では有意に変化していたが(p<0.001),年度間に有意差はなかった。体力は膝伸展筋力が全群で有意に向上していた(p<0.001)。握力はG1で有意に向上し(p=0.048),G2で有意な変化がみられたが(p=0.001)群間では有意差はなく,G3では有意差がなかった。上体起こしはG1とG2で有意に向上し(p<0.001),G3では有意差がなかった。長座位前屈はG1で有意に向上し(p=0.005),G2,G3では有意差はなかった。片脚起立はG1,G2で有意な変化があったが(各p=0.033,p<0.001)群間で有意差はなく,G3は有意に低下していた(p=0.025)。障害物歩行はG2で有意に向上し(p<0.001),G1とG3では有意差がなかった。6分間歩行はG1で有意な変化がみられたが(p=0.004)群間に有意差はなく,G2とG3では有意差はなかった。【結論】骨密度はOSIおよびYAM%でみると各群とも年齢とともに低下していたが,同年齢%では年度間で有意差はなかった。体力は全群で維持向上している項目が多く,低下や変化していた項目も高い値を維持していた。最初の教室では運動の基本を体得し,それを住民主体で続けるように働きかけた。教室を運営しているリーダーや参加者は運動を習慣化させたため体力が維持向上していたと推察される。高齢者であっても運動を習慣化することで骨密度は同年齢%では低下することなく,体力は維持向上していることが分かった。

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