理学療法学Supplement
Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: O-RS-5-29
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口述発表
側臥位の換気力学的変化について
~背臥位との比較~
若林 みなみ間瀬 教史山本 健太野添 匡史小林 実希山本 実穂高嶋 幸恵木原 一晃
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キーワード: 側臥位, 換気力学, 肺抵抗
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抄録

【背景・目的】

近年の急性呼吸窮迫症候群に対する肺保護的換気法を考えると、呼吸理学療法プログラムによる肺への応力、歪みを含めた換気力学的変化を理解しておく必要がある。今回我々は、ポジショニングで使用される側臥位(SL)と背臥位(SP)の安静時呼吸(rest)と呼吸介助法時(assist)の換気力学的変化を観察したので報告する。

 

【方法または症例】

対象は健常成人男性5名。背臥位・側臥位にて1分間のrest後、assistを2分間行った。肺気量(V)、流量(f)、食道内圧(Pes) 、口腔内圧を測定した。Pes測定には食道バルーン法を用いた。得られたデータから径肺圧(Ptp)、肺抵抗(RL)、動的肺胸郭エラスタンス(Edyn rs)、吸気終末肺気量(EILV)、呼気終末肺気量(EELV)を算出した。肺への応力の指標はPtpの変化量(ΔPtp)、歪みの指標はΔV/機能的残気量(FRC)とした。

 

【結果】

EILVは、rest(SP:3.39±0.29L vs SL:3.91±0.27L)、assist(SP:3.22±0.28L vs SL:3.97±0.32L)ともにSPに比べSLが有意に高値を示した。EELVも同様の傾向を示した。ΔPtpはSPのassist(6.39±2.75cmH2O/L)がSPのrest(2.07±1.22cmH2O/L)、SL(rest:1.64±0.20cmH2O/L、assist:3.09±0.73cmH2O/L)に比べ有意に高値を示した。ΔV/FRCはSP(rest:0.18±0.04 vs assist:0.46±0.19)、SL(rest:0.15±0.03 vs assist:0.35±0.10)ともにrestに比べassistで有意に高い値を示した。RLはSPのassist(3.86±1.81cmH2O/L)がSPのrest(1.73±0.72cmH2O/L)、SL(rest:1.50±0.60cmH2O/L、assist:2.16±1.32cmH2O/L)に比べ有意に高値を示した。Edyn rsはSPのassist(11.7±4.3cmH2O/L)に比べSL(rest:6.4±1.9cmH2O/L、assist:5.9±1.0cmH2O/L)で有意に低値を示した。

 

【考察および結論】

SPに比べSLは、肺気量位が高く、肺抵抗や肺胸郭系の硬さも低いことがわかった。さらに、肺への応力が生じにくい肢位であることが分かった。

 

【倫理的配慮,説明と同意】

全対象者に対して事前に研究の目的・方法を説明し、書面による同意を得た。また、本研究は甲南女子大学倫理委員会の承認を得ている。

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© 2019 日本理学療法士協会
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