理学療法学Supplement
Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: O1-5
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一般演題
股関節最大外転角度と股関節外転,外旋筋力との関係
金村 朋直吉田 昌平小林 寛和岡戸 敦男
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抄録

【はじめに・目的】

 股関節外転,外旋筋力は,スポーツ動作の遂行に重要な役割を担うことから,我々は,側臥位での股関節最大外転角度やその保持を指標とした評価を行っている。本研究は,側臥位での股関節最大外転角度と股関節外転,外旋筋力それぞれとの関係について検討することを目的とした。

【方法】

 対象は,高校女子バスケットボール選手16名(年齢16.0±0.9歳,身長171.0±6.2cm,体重65.2±6.7kg)とした。側臥位にて左股関節における,1.外転角度:他動および自動運動での最大外転角度,2.筋力:外転,外旋の各運動最終域における等尺性筋力,3.外転lag:他動での外転角度と自動での外転角度との差,を求めた。

 外転角度(自動)の測定結果から,中央値より大きい群と小さい群に群分けを行い,各測定項目を2群間で比較した。統計学的分析には対応のないt検定を用い,有意水準は5%とした。

【倫理的配慮】

 本研究は,対象者の同意のもとヘルシンキ宣言に沿って行った。

【結果】

 自動での外転角度が大きい群は,小さい群と比較して,他動での外転角度,外転筋力,外旋筋力が有意に大きかった。

【考察】

 本研究の結果より,自動運動による外転角度の増大が他動運動での角度増大にもつながること,外転角度の増大には,外転のみでなく外旋筋力も関係することが示された。股関節外転,外旋の筋力発揮が自動・他動に関わらず股関節外転の運動範囲の維持・改善に必要と考えられる。

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© 2019 日本理学療法士協会
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