抄録
本研究は、営業利益が赤字の不調農業経営者が黒字の優良農業経営者に至る主要な心理的要因を明らかにすることを目的とした。不調・優良双方への非構造化インタビューを踏まえ、優良農業経営者への半構造化インタビューをM-GTAで分析した結果、「先が見えない状態」からの脱却に寄与する「特性的自己効力感」が主要因として抽出された。加えて、農業従事者へのアンケート調査では、50代以下の専業農業経営者でその傾向が顕著に見られた。さらに、就農前の知見の獲得や目標設定による経営意識の醸成が重要であることが示唆された。