日本口蓋裂学会雑誌
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口蓋裂患児の鼻咽腔閉鎖不全に対するRepushback法の治療効果の検討
二宮 史浩窪田 泰孝矢原 佳枝鈴木 陽松崎 幸代緒方 祐子白砂 兼光
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2008 年 33 巻 3 号 p. 273-279

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抄録
今回われわれは,鼻咽腔閉鎖不全(VPI)に対するRepushback法の治療効果を明らかにする目的で,1996年から2006年の11年間に当科で行ったRepushback法の16例(口蓋裂単独4例,片側性唇顎口蓋裂6例,両側性唇顎口蓋裂6例)を対象に術前術後の鼻咽腔閉鎖機i能(VPF)を検討した.VPFは聴覚判定による主観的評価と検査による客観的評価に分けて,術前と術後1年で評価した.Repushback法施行年齢は平均ll歳7カ月±3歳6カ月(n=16)で,術前の言語治療期間は平均8年1カ月±2年2カ月(n;16)であった.術前,スピーチエイドや軟口蓋挙上装置は16例中15例で使用され,その平均使用期問は2年3カ月±1年3カ月(n=15)であった.主観的評価では術前は全例で開鼻声がみられたが,術後では全例でその開鼻声がある程度改善され,そのうち8例では完全に消失した.客観的評価では術前は全例が不全であったが,術後は良好が13例,軽度不全が3例であった.以上より,Repushback法によって全症例でVPIがある程度改善した.よって,保存的治療で改善がみられないVPIに対して,Repushback法は有用であると示唆された.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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