臨床神経学
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遷延性記憶障害をみとめMRI拡散強調画像により診断した海馬梗塞の2例
冨井 康宏近藤 正樹細見 明子永金 義成滋賀 健介中川 正法
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2008 年 48 巻 10 号 p. 742-745

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抄録

突然発症の記憶障害を呈し一過性全健忘をうたがった2例を経験した.日常生活における記憶障害はすみやかに消失したが,Wechsler Memory Scale-Revisedで記憶障害の遷延をみとめ,頭部MRI拡散強調画像で海馬に高信号域を確認し,海馬梗塞と診断した.1例は左海馬病変で言語性記憶が低下し,1例は右海馬病変で視覚性記憶が低下した.TGAうたがい例では遷延性記憶障害と海馬病変の検討が重要である.

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© 2008 日本神経学会
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