臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
症例報告
FDG-PETが診断に有用であった抗amphiphysin抗体陽性stiff-person症候群の1例
田口 芳治高嶋 修太郎井上 雄吉長田 拓哉清水 正司田中 耕太郎
著者情報
ジャーナル 認証あり

2008 年 48 巻 6 号 p. 410-414

詳細
抄録
症例は46歳の女性である.約1カ月の経過で両下肢に筋硬直,有痛性筋痙攣が出現し,尖足位となった.抗GAD抗体は陰性で,抗amphiphysin抗体61,440倍と高値であり,傍腫瘍性症候群によるstiff-person症候群と診断した.悪性腫瘍の検索のためマンモグラフィーなどを施行したが,腫瘍病変はみとめられなかった.FDG-PETにて左腋窩部リンパ節に集積がみとめられ,同部のリンパ節郭清術を施行し,病理検査により乳癌と診断された.ステロイド治療により筋硬直,有痛性筋痙攣は消失した.抗amphiphysin抗体陽性stiff-person症候群では悪性腫瘍の早期検出にFDG-PETが有用と考えられた.
著者関連情報
© 2008 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top