臨床神経学
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短報
慢性GVHD経過中に慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーと低Na血症をみとめた1例
和田 沙代子木村 卓池亀 和博梶山 幸司武田 正中芳川 浩男
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2008 年 48 巻 6 号 p. 426-429

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抄録

症例は54歳女性である.2003年50歳時ALLで化学療法開始し四肢異常感覚を自覚した.翌年,造血幹細胞移植受け,2005年慢性GVHDと診断された.2006年12月顔面と舌に異常感覚自覚した.その50日後感冒様症状,60日後四肢脱力と異常感覚悪化し入院した.神経伝導検査と神経生検で脱髄性変化をみとめた.IVIg療法で症状と神経伝導検査所見は改善した.入院当初の低Na血症は水制限とNaCl投与で軽快した.慢性GVHD等の免疫学的機序で慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーと低Na血症がひきおこされた可能性を考えた.

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© 2008 日本神経学会
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