臨床神経学
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シンポジウム3:中枢神経系の再生・次なる半世紀
シンポジウム3―3 中枢神経系の再生・次なる半世紀 脳に内在する神経再生機構
澤本 和延
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2009 年 49 巻 11 号 p. 830-833

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抄録

脳を構成するニューロンの大部分は胎生期あるいは生後の初期に神経幹細胞から生まれる.しかし,近年の研究によって成人の脳にも幹細胞が存在し,ニューロンが継続的に産生されていることが明らかになった.成熟した脳におけるニューロンの産生(adult neurogenesis)は,霊長類をふくむ様々な動物の側脳室の外側壁に存在する脳室下帯(subventricular zone:SVZ)で観察されている.脳室下帯で生まれるニューロンは長距離を移動し,実際に機能する場所へ到達した後で成熟する.本講演では,われわれが動物実験で明らかにした正常時・病態時におけるニューロンの産生・移動・成熟のメカニズムと,それを活かした虚血性脳疾患の再生医療の可能性について述べる.

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© 2009 日本神経学会
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