2009 年 49 巻 6 号 p. 364-369
症例は55歳男性であり,咽頭右側の発作性の痛みのため入院した.舌咽神経痛と診断しカルバマゼピン内服を開始したが奏功せず,drug-induced hypersensitivity syndromeをきたした.そのため同薬剤を中止しリン酸コデイン内服,リドカイン局所噴霧をもちいることで疼痛管理が可能となった.退院後のリン酸コデイン漸減により症状再燃をきたしたため,発症約4カ月後に神経血管減圧術をおこない,以降は内服薬による疼痛管理が不要となった.一般的に神経因性疼痛はオピオイド鎮痛薬に抵抗性とされるが,舌咽神経痛の疼痛管理に対し有効な可能性がある.